八幡の藪知らず
神社・仏閣
国道14号線をはさんだ市役所の向かいに、鳥居と祠(ほこら)に護られた小さな竹藪があります。
これが有名な「八幡不知森(やわたしらずのもり)」で、広辞苑にも「八幡の藪知らず」の項目があり、「ここに入れば再び出ることができないとか、祟りがあるといわれる。転じて、出口のわからないこと、迷うことなどにたとえる」とあり、江戸川乱歩の「孤島の鬼」や夏目漱石の「行人」等、さまざまな小説にも、迷い込んで出られなくなることの喩えとして使われています。
史実を見ると、この地が行徳の入会地(いりあいち、村や部落などの村落共同体で総有したことで、入会権が設定されている山林原野または漁場など)であり、八幡の住民はみだりに入ることが許されなかったので、「八幡知らず」と言われたのが藪知らずになったのではないかと言われています。